霧中鷹図

墨に宿る、孤高の魂。静寂と力強さをまとうアート

和紙を思わせる静かな背景に、墨の濃淡だけで描き出された一羽の猛禽。振り返り、何かを鋭く見据えるその姿は、孤高の覇者の風格を漂わせ、見る者の心を捉えて離しません。

最小限の筆数で表現された、猛々しくも美しい姿。背中の羽の柔らかな質感、力強く岩を掴む鋭い爪、そのすべてが、作家の卓越した筆致によって生命を吹き込まれています。にじみやかすれといった墨特有の表現が、静かな画面の中に豊かな表情と奥深さを与えています。

この作品がもたらすのは、凛とした緊張感と静寂。和室にしつらえれば空間全体が引き締まり、モダンなリビングに飾れば、洗練された和モダンのアクセントとして際立ちます。日々の喧騒から離れ、心を研ぎ澄ませたい書斎にもふさわしい一枚です。